ホロライブの未来とカバー株:次の25年2Q決算についてファン目線で語る
2025年10月14日
重要な前置き
この記事は私個人の感想を述べているものであり、ホロライブやカバー株式会社の活動をファン目線でまとめたもので、株式投資の推奨を目的としたものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
ホロライブが好きで、日々の配信を楽しみにしている方の中には、
「株って買えるのかな?」
と、興味を持っている方も増えているのではないでしょうか。
運営会社であるカバー株式会社は2023年に上場してから株式市場においてもANYCOLOR(にじさんじ運営)と"VTuber二大上場企業"として比較されることが多くなりました。
11月に発表されるカバー社の2Q決算発表を前に、今一度両社の状況をまとめてみたいと思います。
■まず気になる「カバー(5253)とANYCOLOR(5032)の株価の差」
2025年10月時点で、カバー株式会社の時価総額は約1,200億円前後、ANYCOLORは約2,500億円前後と、株価では約2倍の 差があります。
「ホロライブも人気なのに、なんで株は半額なの?」
──この疑問は、Xなどでもたまに見かけることがあります。
理由は単純で、利益率の違いです。
ANYCOLORは営業利益率が約37%と非常に高く、一方カバーはおよそ18%前後。この差は悪い意味ではなく、投資フェーズの違いと考えるのが正確でしょう。
ANYCOLORが「今ある仕組みで稼ぐ」段階にあるのに対し、カバーは「次の仕組みを作っている」最中なのです。
この視点を踏まえておくと、次の業績の話がぐっと理解しやすいと思います。
■売上と利益の動き──"成長は続いている"
カバー社の2024年3月期(前期)は、売上301億円、営業利益55億円と大幅増収。そして今期(2025年3月期)は、売上434億円、営業利益80億円とさらに拡大しました。
特に物販(グッズ)が前年より約65%増と好調。ホロライブの公式トレーディングカード(TCG)のヒットが牽引しました。
ライブやスーパーチャットなどの配信関連も堅調で、カバーは「配信+グッズ+ライブ+音楽」という複数の柱を持つ構造に進化しています。これにより売上全体のバランスが改善し、安定した収益モデルへと変わりつつあることがわかります。
■ANYCOLORとの違い──似ているようで方向が違う
ホロライブ(カバー)とにじさんじ(ANYCOLOR)は、どちらもVTuber業界のトップランナーですが、経営のスタンスは対照的です。
カバー株式会社
売上高 :約434億円
営業利益 :約80億円 (約18%)
戦略 :海外・メタバース・音楽に投資
方向性 :拡大型(長期投資)
ANYCOLOR株式会社
売上高 :約320億円
営業利益 : 約123億円(約37%)
戦略 :タイアップ・EC効率化
方向性 :高収益型(短期効率)
ANYCOLORは"コマースやタイアップ中心"で利益率が高い一方、カバーは"新規事業に積極投資"しているため利益率が控えめになっています。
言い換えれば、カバーは今は未来を見据えてお金を使っているとも言えます。
■2Q決算の見どころ──"投資中でも成長"
2025年度第2四半期(7〜9月)は、前年よりも売上が伸びるでしょう。上期(4〜9月)の会社予想は売上227億円前後、前年+33%。
ただし、営業利益は一時的に減少する可能性があります。理由は海外展開・メタバース・イベント費用などの先行投資です。特に今年は夏イベントが多く、ライブ・コラボ・グッズ販売の活動が集中しました。TCGの新弾発売もあり、売上は好調だが利益は圧縮される構造です。市場では「投資フェーズとしては順調」「通期では増益に戻る」との見方が多く、短期的な数字より“事業が拡がっているか”が注目ポイントになっています。
■海外とホロアース──新しい市場を育てる
カバー社が特に力を入れているのが海外展開とメタバース開発です。北米ではライブイベントを開催し、現地のファンコミュニティが急成長。「ホロライブEN」勢の人気も安定しており、海外グッズ販売も拡大中。二度目のワールドツアー「hololive STAGE World Tour '25」も行われています。
そしてもう一つが『ホロアース』。ファンがアバターで交流したり、ライブを楽しめる仮想空間で、今後は「ライブ+SNS+ショップ」が融合する新しい世界を目指しているとのことです。ゲームとしての側面も持ち、"ホロライブを体験する空間"そのものが商品になる可能性を秘めています。
今はまだショップやエリアなどそれぞれでみるとやれることが限られておりますが、今後の拡張に期待です。個人的にはVRCぐらいまで自由度が広がると嬉しいですね。
■市場とファンの声──「育てる会社」という共感
アナリスト評価はおおむね『成長性は高く、利益率は今後の課題』。PER(株価収益率)は60倍前後と高めですが、市場は「将来のリターン」を織り込んでいると見られています。
ファンは、数字だけでなく「誠実な成長 」を求めています。一方で『メタバース開発にお金をかけすぎでは?』という現実的な指摘もあり、健全なバランスの中で議論が交わされています。
ホロライブの会社=カバーは、今まさに「次の10年に向けた準備」をしている段階だと評価できます。 ライバルのANYCOLORが"利益を磨くステップ"だとすれば、カバーは"世界を広げるステップ"。 どちらが上かではなく、次の一歩として目指している形が違うのです。
ファンとしては、配信やライブを楽しみながら「この会社がどう育っていくのか」をそっと見守る時間こそが、いま一番面白い時期であり、株を買う・買わないに関係なく「自分の"押し文化"を支える企業を応援する」という姿勢が、これからの"ファン投資"の新しいかたちになるかもしれません。
ホロライブの次の一歩を、いちファンとして見守っていきたいですね。
(著:ふゆ)
■関連記事
カバー株式会社 IR資料
https://cover-corp.com/ir
ANYCOLOR株式会社 IR資料
https://www.anycolor.co.jp/ir
会社四季報オンライン:カバーとANYCOLORの比較分析
https://shikiho.toyokeizai.net/
PR TIMES:ホロライブプロダクション公式発表一覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/30865
ホロアース公式サイト
https://holoearth.com/
日本経済新聞「カバーの税引き利益12%増、Vチューバーのグッズ販売好調 4〜6月」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1234F0S5A810C2000000/
日本経済新聞「Vtuber「リアル」で稼ぐ カバー、米国でツアー」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC100OD0Q4A710C2000000/







